肌のもっとも深刻な悩みのひとつ・・・
『常在菌のバランスと肌トラブルとの関係』というテーマで、先日は特に「ニキビ」や「乾燥肌」との関係についてお話ししました。
それでは続いて今回は、長年お悩みの方も多い「アトピー」や「敏感肌」についてみていきましょう。
「皮膚のバリア機能の低下」が引き起こす深刻なトラブル肌
「アトピー性皮膚炎」の原因はまだはっきりと解明されていない所もありますが、多くは『皮膚のバリア機能低下×アレルゲンやストレス等による肌への刺激』という2つの原因が合わさった場合に起こると考えられています。
『皮膚のバリア機能低下』というのはつまり『皮膚常在菌バランスが悪い状態にある』ということ。
本来はグリセリンなどを分泌し肌を保湿してくれる「表皮ブドウ球菌」等の善玉菌が減少し、
逆に「黄色ブドウ球菌」等の悪玉菌が増加してしまった肌、このようなお肌は乾燥して外的刺激に対するバリアが弱くなってしまうので、アトピー等の炎症を発生させやすくなってしまいます。
加えて黄色ブドウ球菌は異常繁殖すると炎症をどんどん悪化させてしまうので、アトピーが起こると治りにくいというわけですね。
「皮膚のバリア機能の低下」は腸へも影響が!?
更に皮膚常在菌バランスが悪化することで、連動して体内、特に腸の常在菌バランスも悪くなり、酷い場合には腸に穴が開く「リーキーガット症候群」になることも。
こうして開いた穴から身体中に毒素が巡り、これもアトピー性皮膚炎の要因の1つになると言われています。
「敏感肌」と「肌のバリア機能」の関係
またアトピーほどの炎症は起こさずとも、乾燥やストレス、花粉などの外的刺激に敏感に反応して肌トラブルが発生してしまう「敏感肌」の方、こちらも原因は同様にやはり『皮膚のバリア機能低下』にあります。
アトピーや敏感肌にお悩みの方は同時に「乾燥肌」であることも多くありますが、これはつまり『常在菌による保湿・バリア機能』が低下しているからなんですね。
肌ダメージを抑え、肌本来の力を引き出すスキンケアを!
このようなお悩みを解決するには紫外線やストレス、引っ掻きといった外的刺激を避けることも勿論ですが、根本解決である『お肌の常在菌バランスを整えて、生体バリア機能を復活させること』が一番となります。
また同時に注目したいのが、特にこのような肌質の方は既にバリア機能が低下していることが多いため、『スキンケア製品による刺激とダメージ』にも気を付けたいということ。
乾燥や痒みを抑えたいためにむやみに保湿や栄養成分を添加することは、場合によっては逆効果となってしまいます。
そのため出来るだけ刺激の少ない自然由来のスキンケア製品で優しく保湿しながら、皮膚常在菌を育ててあげることが肌質改善への正しいアプローチとなります。
『常在菌バリア』というお肌が元来持っている力を取り戻してあげることで、皮膚トラブルからの解放と、過剰な保湿や成分補給の必要がないシンプルなスキンケアを目指しましょう。