これまで複数回のコラムに渡って、『皮膚常在菌のバリア機能』や『肌トラブルとの関係』などについてお話してきました。

私たちの顔のお肌は勿論、全身の皮膚に住んでいる常在菌は『保湿』や『外的ストレスの遮断』など様々な働きをしてくれていて、『乾燥』や『敏感肌』といった肌トラブルもこの常在菌バランスの崩れによって引き起こされる、ということがお伝え出来たかと思います。

それでは今回はそのまとめとして『皮膚常在菌バランスの崩れる原因とその対策』についてお話していきたいと思います。

お手入れのし過ぎは常在菌バランスを崩してしまうことも

常在菌バランスが崩れる原因の第一としては、やはりこれまで何度かお伝えしてきた『誤ったスキンケア』が挙げられます。例えば、汗やべたつきが気になるからといって、一日に何度も洗顔料を使って洗顔してしまうこと。

これは皮膚にいる常在菌を洗い流したり、更にそのエサとなる汗が減ってしまうことで善玉常在菌の数がどんどん少なくなっていってしまいます。

また皮膚常在菌は顔だけでなく全身で活動しているので、日に何度もお風呂に入ったり、何度も石鹸で身体を洗う、といった行為も控えた方がよさそうですね。

更に洗顔のし過ぎはお肌の乾燥の原因ともなります。

乾燥してしまった皮膚には美肌菌である「表皮ブドウ球菌」が生息しづらく、善玉菌が減少し、その結果悪玉菌優位な『悪い常在菌バランス』となって、様々な肌トラブルを引き起こしてしまいます。

また、洗顔後の保湿ケアも注意したいポイントです。殺菌効果の高い「アルコール」が多く使用されているスキンケア製品の場合、同じく菌の一種である常在菌も少なからず殺されてしまいます。

またアルコールは揮発性が高く、乾く際にお肌の水分を奪っていってしまうので、むしろお肌が乾燥するというデメリットもありますね。

お肌が乾燥しやすい方や敏感肌の方は、特に意識して『アルコールフリー』のスキンケア製品を選ぶように心がけましょう。

同様に日頃から手のアルコール消毒や、うがい薬を使用したうがいなど、消毒をしすぎることによっても常在菌は死滅していってしまいます。

病原菌を防ぐための手洗いうがいは勿論大切ですが、その病原菌に対するバリア機能を果たしてくれる常在菌のためにも、殺菌のし過ぎには注意しましょう。

皮膚常在菌バランスの崩れる原因とその対策について、今回は特に『スキンケア』の観点からお話させて頂きました。

続いて後編ではスキンケア以外の『日々の生活』に着目してみていきたいと思いますので、どうぞ合わせてチェックしてみてくださいね。

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